20240104

 伊那市駅のトイレが改築される。次は地域産材による木造で、男性用・女性用・多目的トイレの3室構造になるそうだ。それは結構なことなのだけど、報道によれば

「おむつ替えなどのための「ベビーシート」も女性用と多目的トイレに設ける」(「長野日報」上伊那版、2023年12月31日付)。

 なんで男性用にはベビーシートを設けないのだろうか。

 長野県の人口が200万人以下になるということで、さかんに「若い女性を県内に引き留めねば(呼ばねば)」と言われているわけだけど(これ自体、人口維持の手段として人をみるようで妙な感じだ)、それはこうした公共空間設計で達成されるものだろうか。女性が暮らしやすい社会は、「男性によるおむつ替えを例外的なものにした状態のまま、女性によるおむつ替えをスムーズにする」ことではつくれないはずだ。

 設計事務所、市役所・市長、市議会、新聞社の、誰も妙だとは思わなかったのかな。未婚で、子育ての非当事者の私でも「ん?」と思うところなのだけれども。

 木で作れば、自動的に人に優しくなるわけではない。われわれ森林・林業研究者は、コンクリートと鉄が国産材に置き換わる(国産材需要が量的に増える)のを何でもありがたがる段階から、そろそろ抜け出るべきだ。どんな、誰のための木造・木質建築物ができるかを問わねばならない。それは林業経済学のつとめだと思う。

20240104

 惣菜コーナーに「(CK)じんだ」というパックが売られていた。この茹でた枝豆を砕いたようなものはなんだろう。この粉を正月に食べる風習が上伊那にはあるのか……?

――食べてみてわかった。これ餅の外側だ!

20240102

 論理(ロゴス)と情熱(パトス)という、ふつう相反するものだと思われているものが統一したところに、構想力(人間のクリエイティブさ)があるんだ、ということを言いたいのだろうと思うが、それだけのためにいったい何ページ書くんだ三木清(『構想力の論理』)。

 河野真太郎『はたらく物語』(笠間書院、2023)。この人の単著は全部読んでるが、いずれも面白い。

20240102

 われわれが、いかに不安定な土地の上に暮らしているかを、いやおうなく知らされる正月だった。

 生活に必要なものを蓄えるとか、緊急時に持ち出す荷物を決めておくとか、一次救命の方法を身につけるとかして、おたがい自然災害への備えをしましょう。可能な人は消防団に入りましょう。

20231231

2023年の生活で変化のあったことといえば、次のようなものだろうか。

  • 屋根で太陽光発電を始めた。夏なら5.5kW、冬でも晴れていれば3.5~5.0kWくらいは発電している。ただし、東向きの屋根なので15時以降までである。
  • 庭でシソなどを育てた。
  • 手話を習い始めた。
  • ミシンを買った。四角いものしか縫えないが、自分の考えたものを形にする手段が増えるのは面白い(考えの通りのものはできないが)。

20231226

 先天性乏毛症で体毛がないので、冬になると頭部が過冷却ぎみになる(体毛がある人々がどれだけ温かい冬をおくってるのか私は知らぬ)。後頭部から首のうしろ、背中にかけて冷えるのが苦手である。

 しかし人類は、技術によって自然条件を(部分的に)克服することができる。そして私は、義務教育の家庭科で布を縫う教育を受けている。

 しごく単純な構造だが、とても温かい。

 考えてみると、寒い地域・雪が降る地域には、頭に布を巻いたり頭巾をかぶったりする文化がある。脱炭素社会への移行が世界的課題であるいま、これを見直さない手はない。

 もちろん、これが最善の解決策ではないだろう。しかし各人があれこれ試みるところに、民主的なイノベーションの可能性があるのではないかと思う。

 作ってみると、いくつかの問題点に気づく(もう少し後頭部のフィット感を高めたいところだ。デザインも改善の余地がある)。しかしそれは改良が可能だろう。我々には、自分が構想したものを制作できる技術があるのだ。

20231224

 地区での世間話のときに

「三木さんの奥さんって、xxxにお勤めですよね」

と聞かれた。それは初耳だ。

 ちょっと「トータル・リコール」みたいなのを想像した。私も実は火星に行ったことがあるのかもしれない。

 もちろん「いえ、そもそもそういう人がいません」と答えたが、空集合に対して、それが1か0か問われているわけだから、「勤めているとも、勤めていないとも言えますね」と答えるのが論理学的には正しかったのかしら。

 今日まで、そのxxxにお勤めのどなたかは「この人は三木と一緒に暮らしている」という、あらぬ誤解を受けていたわけで、お気の毒であった。

20231223

新潟を何回か往復して分かったのだけど、高速道路などをスピードをあまり出さすに(2250回転以下で)走れば、うちの非ハイブリッド・非アイドリングストップ旧車かつ冬タイヤでも15.5km/Lくらいは走る。水平対向エンジンだから燃費がよくないのは仕方ないなと考えていたが、機械のせいにしてはいけない。これまで私の運転が下手だっただけのことである。

20231222

 財産区は特別地方公共団体で、ここには財産区議会があり、公職選挙法に則って選ばれた財産区議会議員がいる。

 ところが、この財産区議会議員選挙にも、候補者となるには供託金(15万円)がかかるらしい。まことにあほらしい。

 供託金制度は、人々を議会に立候補させないようにするための悪法だと私は思うのだけど(被選挙権は思い立てば誰でも行使できるようにすべきである)、よりいっそうその思いを強くした。

 森林管理のためにも供託金制度を廃止しよう。

20231221

 道の駅の店内で歌がかかっていた。「あなたは仏敵だ」と歌っていた。仏敵とは おだやかでない。五逆か。

 数日後に、他の店内でも聞くことができたので、何の曲かを検索できた。

「星の降る日にあなたは降ってきた」

と歌っていた(aiko「星の降る日に」)。

 パンスペルミア説だ。