配管工事のあと、これからアスファルトを敷き直すところに、何か黒い液体が撒いてあった(写真の茶色い針状のものは、カラマツの落葉である。この季節は避けがたい)。
これは何をしているのかと調べてみたら、「アスファルト乳剤」というものらしい。砕石の上に、直接アスファルトを流し込むわけではないようだ。これは「タックコート」処理だろうか。「日本アスファルト乳剤協会」という団体もあることを知った。
そこに人為的なものがあるなら、それには何かの理由がある。身の回りにあるのに自分がこれまで気づけていなかった、そういう人為に注目して、理由を知るのが好きだ。
職場の火災報知器(熱感知器)の点検に来る業者は、長い棒の先にカップのついた道具を持っていて、それを天井の感知器に押し当てて動作確認をする。カップの中に熱を発するものが入っているのだろうということくらいは想像がつくが、では熱源は何かというと、なかなか見当がつかない。電熱線だと瞬時に熱くするには大電力を要するはずだが、あの道具にはバッテリーらしきものが見当たらない。炭だと、火をおこすのが面倒そうだし、誤って天井を焦がしてしまいそうだ。
あるとき どうしても知りたくなって、巡回してきた人に道具を見せてもらった。白金カイロだった。
なるほど、それなら長持ちするし、天井が焦げるほどの温度にもならない。よく考えたものである(東京防災設備保守協会)。電気式のものもあるがバッテリーが重いのだそうである。
ところで、熱感知器のほうはというと、金属の蓋の中にセンサーがしまわれている(差動式)。火災を感知するために、赤外線を見ているのなら、小窓があってもよさそうなものだ。あれは、赤外線光ではなくて、熱によって中の空気が膨張するとスイッチを押すようにできている(日本火災報知器工業会)。簡単で確実だ。これもよく考えたものだ。
なお、アスファルト業界には他にも、「日本アスファルト協会」「日本アスファルト合材協会」「日本改質アスファルト協会」「日本アスファルト防水工業協同組合」とかがあるらしい。日本林業協会と日林協と全林協みたいなものだろうか。