日本では、樹木を伐り倒すときに、切り株と丸太とを最後までつないでいる部分を「つる」とよぶ。語源は「蔓」だろう。切り株と丸太を線状のものでつないでいるイメージである。機能的には、倒れようとする木の回転軸を固定するための、ドアのちょうつがい(ヒンジ)のような役割なのだけど、「ちょうつがい」とは言わない(海外ではヒンジと呼ぶ)。
これは何でなのかと当てずっぽうで考えてみるに、
仮説① 日本家屋にはドアがなく(城の門など限定的)、引き戸で構成されているから
仮説② 日本の伐倒技術はビーバーのように木を削って倒す技術段階から、「三つ紐伐り」を経て、こうした伐倒方法になっており、三つ「紐」のような線状の接続のイメージを持っていたから
ではないだろうか。