夢の島にある、都立 第五福竜丸展示館に初めて行った。核兵器廃絶運動の史料としての価値はもちろんだが、当時の様式の木造船という産業遺産としても価値がある(「西洋型肋骨構造による現存する唯一の木造鰹鮪漁船」として「ふね遺産」に指定されている)。
外板は厚さ6cmのマツ材だという。隙間にはヒノキの樹皮を押し込んであり、それが水に濡れて膨張するのでもって浸水を防いでいる。船底の竜骨はさすがに太い。外航船としてはたぶん小さいほうなのだろうが、ふだん船を見ない者としては、これだけの大きさ(140t)の木造船を見ると実に大きく感じる。
大きな木造建築物は数あれど、木製品としてこれだけのものを見られる場所はそうあるまい。林業関係者は一見の価値ありである。