地区の子どもに「どうして夏にはスイカがあるのか」と聞かれたが、「どうして」というのは答えづらい。と、当人からは「私は夏だからシャーベットみたいになっているからだと思う」との言。「じゃあ冬は」と問うと、「融けていると思う」(氷みたいに固まっているのではないらしい)。なるほど、道理で冬には見かけないはずである。
私は「冬になったら凍るから硬くなるのでは」と食い下がったが、どうしても「融ける」という。これは、シャーベットが時間の経過とともに融けてしまうことから連想した結果で、夏のあとが冬と認識されているためであろう(温度変化による因果関係ではなくて、時間経過による変化だけが認識されている)。
もしかすると我々がもっているスイカ像は、冷凍技術が発達し、庶民が夏に氷を食べられるようになってから(シャーベットに似せて)品種改良された結果であって、それ以前の果肉はプリンのような食感であったのかもしれない。また、スイカは冬になると融けてしまうが、原産地であるアフリカには日本のような冬はないので、年中スイカがとれる。