20231214

 『マルクス・ガブリエル 日本社会への問い 欲望の時代を哲学するIII』(NHK出版)を読んだが、NHKはガブリエルから言葉を引き出そうとしすぎでは。日本の文化や社会・経済の研究者ではないのだから、あんまりそこに突っ込んでもしょうがないということを訊いている。それよりも、「倫理資本主義」を具体的にどう実現させるのかを聞いたほうがいい。日本は1990年代を再生産しすぎで21世紀に入れてない、というあたりは、そうですなと思うが。

 たとえば135ページで、ガブリエルが「天皇陛下」という言葉を使っていることになっている。ほんとに「His Imperial Majesty / Seine Majestät der Kaiser (?)」みたいに言ったのだろうか。単に「Emperor」とか「Kaiser」と言っただけでは。本当に彼が語った内容(を翻訳したもの)なのか、それとも彼の名でもって丸山俊一(編者)らが自分の語りたいことを書いているのかが疑わしく感じられるのである。

20231212

 映画「ハワイ・マレー沖海戦」(1942年)、上官(藤田進)が精神論しか言ってないのが興味深い。訓練での相撲でも「技術で勝っても精神がなければだめ」的なことを言ってる。プロパガンダ映画だから、それは肯定的なことと捉えられていたのだろう。

 ストーリーとしては主人公の少年に最後まで焦点をあてたほうが整合的だと思うのだが、不思議とそうはなっていない。艦長が、作戦が成功したのをラジオで聞いて「おめでとう」と言うと、いきなり終わって軍艦マーチが鳴る。そのへんはどうでもよかったんかな。

 映画「加藤隼戦闘隊」(1944年)になると、特撮は進歩するが映画としては面白くなくなる。演出も、逆に古くさい感じがする。余裕がなくなってきたからだろうか。

20231211

 「八ツ頭」も「こじ」も日本語なのだろうが、「天ぷら」というポルトガル語以外、なにもわからない。

 隣に置いてあったプレーンなものと比べると、「こじ」はおそらく「海苔」とかそういう意味なのだと思うが、「八ツ頭」とはなんだ。

 脚が10本はイカ、8本ならタコか馬であるように、頭が8つならヘビだろう、と思って食べてみると、サトイモのような味だった。なるほどヘビとは芋の味がするのであったか。

20231204

 45歳になった。

 先日、必要があって1990年代に人々が書いた文章を読んでいたのだけど、そのなかで驚いたことが2つあった。一つは、当時の定年退職者は戦争体験世代だったことだ。引き算をすれば当然なのだけど、ちょっと意外な感じがした。もう一つは、当時の45歳は残りの就業年数のあいだに自分のなせることとか、老後の生活を考え始める歳だったらしいことである。なるほど、そういうものか(そう思った人だけが筆をとったのかもしれないが)。

 それで多少この先のことを考えるようになった。

 私が属する人口集団である未婚男性は寿命が短く、中央値は67歳であるといわれている。また男性の 寿命-健康寿命 は9年である。そうすると、日常生活に健康上の制限がない状態はあと10年程度だと考えて生活したほうがよさそうだ(もちろん、それより短い可能性もある)。今後の10年間を一つの目安にしたい。

 また、なんで我が人口集団の寿命が短いかというと、おそらく自己の健康状態を維持管理できない状態にあるからだろう。経済的な原因もあるだろうが、男性が健康維持を他者(多くは女性)に依存してきたというジェンダー的要素も大きそうだ。私とて長生きするほうがよいので、これまでのような内臓の処理能力まかせではなくて、自分の意志でもって健康状態を維持管理できるようにしていく必要がある。

 まずは食堂で揚げ物を食べる頻度を減らして、γ-GTPを下げねば。誕生日のささやかな決意である。

20231201

サイバートラックではなくて、サンバートラックをEV化したら拍手喝采だと思うのだ。