韓国映画をいくつか観ていると、笑いのポイントが違うのが面白い。アクション映画はスプラッタなほうがウケるのか、ずいぶん痛そうな描写があるのに、では全編ハードな感じでいくかというとそうでもなく、リアリティを失わせるようなコテコテのギャグをはさむ。緊張感が高まりっぱなしにならないようにするのが好まれるのかもしれない。
「白頭山大噴火」(2019年)は、マ・ドンソクが出てくるのに暴れず、おとなしく火山学者をやっているという、変わったディザスター映画だった。そりゃそうか。この人がいつも殴る役ばかりでは映画の区別がつかなくなる。終盤までうまくやりおおせたのだから、最後まで知恵で乗り切ったほうが私は感動するのだけど、メロドラマ要素があったほうがウケるのか……これは日本映画でも同じか。
「新感染」(2016年)は確かによい映画だったが、いまひとつな出来の「新感染半島」(2020年)も、1作目と同じことはやらないという点は感心した。